冬になると白鳥が飛来しているというニュースを見るけどなんで?
白鳥は冬にエサを求めて極寒の北極やシベリアから比較的暖かい日本に飛来してきます。
北極とかでは冬に餌が全く取れなくなるのです。
なぜ日本なの?もっと暖かい国のほうがいいのでは?
暑さが苦手というのもありますが、決定的な理由は冬の日本は白鳥の天敵が少ないからです。
うっすらと雪が覆われた田んぼや湖は餌がとりやすく、雪と同化して天敵に見つかりにくいですからね。
他にも日本に飛来する理由があるのでこの後説明しますね。
今回は、そんな白鳥がなぜ飛来してきて、どんなルートできて、そしてどのくらいの距離を飛んできているのかについてご紹介していきます。
白鳥が冬に日本に飛来するのはなぜ?
白鳥は餌を求めて寒い冬に日本に飛来してきます。
白鳥といえば公園にいるイメージが強いと思いますが、じつは日本ではなく北極やシベリアなど寒い地域に生息しています。-30度とか普通の極寒の地ですね。
極寒の地では一面すっぽりと雪や氷に覆われてしまって、完全にえさを取ることができなくなるので、うっすらと田んぼや湖が出ている日本の北海道から東北にわざわざ飛来してきます。
白鳥のえさって何?
白鳥の主なエサは水草です。
そのため、白鳥は海を越えてシベリアよりも比較的暖かい日本へ越冬するために飛来してくるんですね。
そして、暖かくなる春には再び海を越え、元にいた地域にもどっていきます。
なぜ寒い地域にばかり移動するの?
寒い地域ばかり選んで移動するのは天敵から身を守るためです。
鳥類を好んで捕食する大きな哺乳類は冬になると冬眠するので、寒い地域は白鳥にとって安全です。
そして雪は白鳥の体と同化して、冬眠しないキツネやタヌキに見つかりにくいという理由もあります。
飛来する場所も見晴らしの良い湖や田んぼ、沼を選んでいるのも身を守るためです。
また、白鳥は暑いのが苦手です。
天敵が少なくて餌にありつける沼や湖のある日本は白鳥にとって快適な場所なのでしょう。
ちなみに地面が見えないほど雪が積もる北海道は一時休憩程度でとどまり、東北や北関東に飛来します。
白鳥はどこからどこへきてる?
では、一体白鳥はどこに生息しているのでしょうか?
北はシベリアやカナダ、そしてロシアの寒い地域に生息しています。
秋の終わりごろになると、そこから日本へ飛来してきますが、距離にしておよそ3000~4000kmと言われています。
その距離はだいたい北海道の端から沖縄県の端くらいまでとなります。
その距離を海を越えて渡ってくるなんて本当にすごいですよね!
渡り鳥の飛距離とルート
そして、そのルートとしては、渡り鳥の種類や日本のどこで生息しているかにも変わってはきます。
例として、ロシアに生息していた白鳥のルートをご紹介します。
一気にロシアから日本へ来ているのかと思いきや、まるで旅行のように、時には休みつつ着地している土地もあるのですね。
越冬のためとはいえ、かなりの道のりであることがわかります。
じつは白鳥を含む渡り鳥は「半球睡眠」と呼ばれる、半分寝ながら飛ぶことのできる習性をもっているため、長距離の飛行ができるといわれています。
寝ながら飛ぶことができるだなんて、とても器用ですよね!
白鳥はどうしてもとの場所へ戻ってこれる?
白鳥は越冬のために、遠い寒い地域から日本へ来ていることがわかりました。
春になると日本からもとにいた場所に戻っていくのですが、人間と違ってGPSが使えるわけでもないのに一体どうやって元の場所にもどることができるのでしょうか?
じつはその謎はいまだはっきりとは解明されていません。
ただ、有力な説がいくつかあるのでご紹介していきます。
白鳥は体内に方位磁針を持っているから
白鳥や渡り鳥は体内に独自の方位磁針を持っているといわれています。
その正確性は以前いたことのある同じ木にもどることができるほどで、方角もわかるといいます。
また一説には太陽や星の位置から判断しているともいわれています。
白鳥は確かな記憶力がある
方位磁針に加え、白鳥には記憶力があるといわれています。
匂いや地形の記憶を利用してもともといた場所へと飛び、時には仲間と鳴き声で確認しあうこともあるそうです。
まるで人間のようですね。
まとめ
公園でふとみかけたことのある白鳥。
じつは長い旅路を経て日本へきていることがわかりました。
日本で見ることができるのは冬から春にかけての一時的な期間に限られますが、毎年同じ場所で見ることができるなんて、なんだか神秘的ですよね。
なんとなくみていた白鳥のことも、「長い距離をかけてきているんだな」と思うとなんだか愛らしく思ってきませんか?
関東近郊でも、そんな白鳥はみることができます。
ぜひ寒い季節の風景を楽しみながら、美しい白鳥を見に行かれてはいかがでしょうか?