カビが入った鏡餅は食べないほうがいいです。
カビの部分の削れば大丈夫!と昔は言われていましたが、見た目以上にカビ菌は餅の中に入り込んでいます。
削った部分だけではカビは除去しきれていません。知らぬうちにカビ菌を体の中に取り込んでいることになります。
残念ながら、カビが生えたお餅から完全に菌を除去する方法は見つかっていません。
今回は、鏡餅に発生したカビを摂取するべきでない理由、カビの予防対策、およびカビの発生した鏡餅の適切な対処方法についてまとめてみました。
カビの入った鏡餅は全体の80%カビ菌だらけになっています。
「餅に生えたカビなんて削って食べれるよ。」
「鏡餅は年神様のものだから大丈夫!」
私の実家では毎年、鏡餅を手作りしていました。
そんな言葉に小さい頃から触れ、実際にカビが生えた鏡餅も削って食べ、何も問題なかったので、「お餅のカビは食べてもいいものだ」と当然のように考えていました。
しかし、最近では「カビが生えたら食べてはいけない」というのが一般的な意見です。なぜなら、その理由は次の通りです。
- 菌の中には人や動物にとって害となるものも存在します。
- 害のあるものかどうかを見極めるのは容易ではありません。
- 菌糸は見えない部分にも広がっている可能性があります。
- カビ毒(害のあるカビが生成する代謝物)は加熱しても取り除くことができません。
- また、アレルギー反応が引き起こされることがあります。
- 微量であっても、長期間にわたって摂取し続けると体に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの理由から、カビの発生したお餅(食品)は摂らないほうが安全です。
特に、幼い子供や高齢者、健康状態が不安定な方、アレルギーをお持ちの方は特にご注意ください。
鏡餅のカビはきれいに削れば大丈夫?
せっかくお供えした鏡餅を食べられないのはかなりショックですよね?
「まあ、でもさ…。ちょっとのカビだしもったいないよね。」
その気持ちは痛いほど理解できます。 カビの周りをしっかり削ってでも食べたくなる気持ちはありますし、実際に私もそうしていました。
ただし、農林水産省の「餅に生えたカビ」の写真を見ても一目瞭然ですが、カビの菌糸を取り除くのは非常に困難です。
たとえ目に見えるカビ部分を切り取ったとしても、カビは内部まで菌糸と言われる根を伸ばしています。
カビの種類によっては強いカビ毒を生産し、人体に悪影響を及ぼすものがあるため、わざわざリスクをおかして食べる必要はないでしょう。
しかしながら、現在の日本国内の食事で、うっかりカビを食べてしまい体調に影響が出たケースは割と少なく、食中毒などになる確率は低いと言われています。
おもに危険視されていることは、継続的にカビを食べることです。
つまり1回だけ、1年の始まりの1回だけなら、カビの生えた鏡餅を食べても健康被害にあう可能性は低いということです。
それでもリスクはあるため、おすすめはできませんが、ここはあなたの自己判断に任せます。
もし食べる際には、カビを食べることで不安になり精神面から体調を崩すこともあるため、動じないメンタルを持って食事に挑むことも大切です。
もったいなさと悲しい気分は分かりますが、健康のためには食べない方が無難です。
まじに止めたほうがいいです。特に子供には食べさせないほうがいいです。
鏡餅をカビさせないようにするためには?
手作りの鏡餅は特別なので、カビを防ぎながら楽しみたいですね。
以下はカビ対策として考えられることです。
- 早めに食す
- 温度と湿度が低い場所に保管する。
- 餅と餅の間の通気性を向上させる。
- 表面に食品用エタノールを塗布する。
カビの生えた鏡餅は早めに食べる
鏡餅は鏡開きまでお供えしておく習慣がありますが、一旦カビてしまうと食べることはできません(昔はできたかもしれませんが)。
経験上、作ってから約5日ほどでカビが生じることがよくありますので、様子を見つつ早めに食べることがおすすめです。
鏡開きの際には、カビの心配のないパックの鏡餅を用意しておくのも一つの方法です。
鏡モチにわさびを塗る
わさびには抗菌作用があるため、全体に塗ってカビ対策もできます。
見た目が気になるなら、お餅どうし重なる部分に塗るだけでも効果があります。
小さいカップにわさびを入れて横に置いておくだけでも多少の効果が期待できます。
数日置きに塗りかえましょう。
温度と湿度が低い場所に鏡餅を保管する
暖房の利いた部屋はカビにとっても好都合な場所です。
我が家では家中の各部屋に鏡餅を飾りますが、やはり寒くて湿気が少ない場所ほどカビの発生が抑えられる傾向があります。
お正月を迎え、お供えが終わったら、寒冷な部屋に移すことも一つの効果的な手段です(ただし、鏡開きまでの期間は考慮に入れ、お早めに行うと良いでしょう)。
鏡餅の通気性をよくする
上下の鏡餅が接触する箇所は、一番カビが生えやすい場所です。
その部分の通気性を向上させるために、鏡餅の台と1段目の隙間、1段目と2段目の隙間に爪楊枝や切った竹串などを挿すことも有効です。
密着部分が多かったり、風通しが悪いとカビは発生しやすいです。
割り箸を並べて、その上にお餅を置いて通気性を確保したり、和紙をお餅の間に挟み水分を吸収するようにしておくなど工夫をしてみましょう。
部屋の環境に気を配り、換気を心がけてください。
私たちはおばあちゃんの知恵で米粒を使ったこともありましたが、残念ながら5日後には米粒からカビが発生したのでお勧めはできません(また、餅とり粉自体もカビの原因となる可能性があるため、定期的な清掃が重要です)。
鏡餅に焼酎やアルコール、食品性エタノールをかける
おばあちゃんの知恵によれば、鏡餅の表面に焼酎を塗ることでカビを防ぐことができます。
殺菌効果があるためカビ対策になります。
お餅どうし重なる部分は重点的に塗ります。ベタ塗りはせずに、キッチンペーパーや清潔な布を使い数日置きに塗ることです。
アルコールを使う場合は人体に影響のないものを使用して下さい。
ただし、焼酎と言っても種類によりアルコール度数が異なり、低いものだと効果が期待できません。
安全性を考慮するなら、高いアルコール濃度を有し、食品に使用しても安全な食品用エタノールが良い選択です。
鏡餅にカビが生えたらどうする?
「カビの生えた鏡餅、どうすればいいの?」
カビが発生しても、年神様が宿ったお餅を捨てることは躊躇われるでしょう。
そのような場合、近くの神社で行われるお炊き上げ(どんど焼き・左義長)に持っていって、炊き上げてもらうのが一つの方法です。
お正月のお炊き上げは主に1月14日、15日ごろに行われ、神聖な火とともに年神様が天に帰っていくとされています。
もしもお炊き上げが行われていない場合は、鏡餅を塩やお酒で清め、紙に包んで他のごみとは別に感謝の気持ちを込めて送り出すと良いでしょう。