結論から言うと、クジラにアニサキスが寄生してもクジラは痛いと感じません。
「え?人間にアニサキスが寄生すると激痛なのに・・・」
と不思議に思いますよね。
今回は、以上のことも掘り下げつつアニサキスについて3つのことをまとめてみました。
・クジラにアニサキスが寄生しても痛くないの?
・アニサキスの最終宿主がクジラなのはなぜ?
・1番多くアニサキスがいる魚は何?
クジラにアニサキスが寄生しても痛くないの?
冒頭の通り、クジラにアニサキスが寄生してもクジラは全く痛くありません。
そもそも寄生虫というものは、基本的に本来の宿主に対して悪さをしません。
どうしてかと言うと、宿主が死んでしまうと困るのは寄生虫の方だからです。
本来の宿主ではない人間がアニサキスを食べるからアニサキスは悪さをしてしまうのです。
アニサキスが人間の胃に入ると、胃壁に噛みつき胃がびっくりしてアレルギー反応を起こし痛みを感じるようになります。
本来の宿主であるクジラには、それが全く起きないんですね。
なので、クジラに何匹アニサキスが寄生しようが全く痛みを感じません。
ちなみに、クジラに寄生するアニサキスの大きさや量はかなり桁違いのようです。
ネットで調べるとすぐ写真が出てきますが、少しショッキングな写真なのでここでの紹介は控えさせていただきます。
興味がある方は一度見てみてください。
アニサキスの最終宿主がクジラなのはなぜ?
アニサキスの最終宿主がクジラなのは知っている人もいると思います。
これは、クジラが海洋生物の食物連鎖ピラミッドの頂点にいるからだと私は思います。
それを説明するために、まずアニサキスの一生を説明します。
クジラの糞に混じったアニサキスのたまごが孵ると、その幼虫は海洋プランクトンであるオキアミ類(第一中間宿主)に食べられます。
そして、そのオキアミ類をサバなど(第二中間宿主)が食べることによって、体長2〜3cmぐらいの第三期の幼虫にまで成長します。
普段、我々人間を苦しめるのはこの第三期の幼虫ですね。
このサバなどに寄生した、第三期幼虫を終宿主であるクジラなどが食べ、それらの消化器官で初めて成虫となります。
成虫となったアニサキスは産卵し、その卵が糞に混じって海にばら撒かれます。
そして、またそれを繰り返していくのです。
もし、アニサキスがサバを最終宿主として選んでいれば、サバに寄生して成虫になったとしてもサバよりも食物連鎖の上に位置する魚にすぐ食べられて、アニサキスも一緒に死んでしまいます。
しかし、食物連鎖がトップの生物を最終宿主として選べば、宿主が食べられてアニサキスも一緒に死ぬ心配はありません。
なので、なるべく食物連鎖が上の生物を最終宿主として選んだ方がアニサキスのような寄生虫としては合理的なのです。
1番多くアニサキスがいる魚は?
アニサキスが1番多い魚堂々の1位はサバです!
ちなみに、2位はアジで3位はイワシとなっています。
一説によると28cm以上のサバには76.4%の確率でアニサキスが寄生しているようです。
そしてそのうち40%は、内臓から筋肉などの可食部へ移行してるようで、生食は危険です。
アニサキスの中にも種類があり、「アニサキス・シンプレックス」というアニサキスは、筋肉などへの可食部への移行する確率がかなり高く、太平洋側で漁獲されたサバに多く見られるようです。
つまり、太平洋側で漁獲されたサバが1番危険だと言えます。
アニサキスが多い魚ランキング
- 鯖(サバ)
- 鯵(アジ)
- 鰯(イワシ)
- 鰹(カツオ)
- 秋刀魚(サンマ)
- 真鯛(マダイ)
- 金目鯛(キンメダイ)
- 鮃(ヒラメ)
- 真鱈(マダラ)
- アンコウ
- ホッケ
- アカムツ
- 鰆(サワラ)
- シイラ
- 太刀魚(タチウオ)
- 鮭(サケ)
意外なのは、サンマもアニキサスが多い魚ということです。
テレビで見てサンマの刺身美味しそうだなと思ってましたが、ちょっと躊躇しそうです。
まとめ
クジラはアニサキスに寄生されても全く痛くないなんて驚きですね。
人間がアニサキスにあたればあんなに苦しむのに・・・
また、アニサキスが多い魚ランキングも、日本人に馴染みのある魚が軒並み上位でびっくりしました。
美味しい魚の方が、食物連鎖が上の魚に食べられやすくて、最終宿主のクジラまで辿り着きやすいんでしょうか。
何はともあれ、日本人と魚は切っても切れない関係なのでアニサキスにも気をつけないといけませんね。